何の為に勉強をする？

この時期になると病んでしまう子が多いからか，
ここ一週間でこの話題を子供、親合わせて５人とお話しました。

さて、 「勉強は何のためにする？」 という質問。 保護者のみなさんは大抵 「自分のため」 とか 「将来のため」 と答えます。 「いい学校に入って、いい大学に行くためでしょ！」 とズバリ本音を言う方もいらっしゃいます。 「子供の夢を叶えてやりたい。」 「行きたいと思った高校に行けるように。」 とオブラートに包んで言う方もいます。 しかしどんな言い方をしても、 本音は 「少しでもレベルの高い学校に入れたい！」 「いい学校に入るために勉強する！させる！」 ここに集約されることでしょう。 しかし子供たちの答えはちょっと違います。 何のために勉強しているのか？ という問いに対して、 自分の為にという子はごくわずか。 うわべっ面だけで 「自分のため」 という子は沢山いますが、 こういう子はその先の展望が何もないので、 本質的には理解しているとは言えません。 本音を言わせるとこういう答えがよく返ってきます。 「親のため」 「怒られるから」 こんなものなのです。 大人が何を言ったって、 実感がないからわからないのです。 私も子供に聞かれた時にどう答えるかは大体決まっていますが、 大抵の子供は 「意味わからない。」 と言います。 いわゆる心の琴線に触れるとか、 生まれ変わるというのは、 実感がわいたときに初めてついてくるものです。 ではどうすればいいのでしょうか？ 子供がこれを言い出したとき、 それは子供が自我に目覚め始めている時なのです。 この状態の時、 子供は大抵親の言うことは聞かずに他人の言うことを聞くようになります。 親のために勉強してきた事に気付いてしまい、 親の言うことを聞くのが嫌になってしまうためです。 もしこう言うことを言い出したら、 成長してるところなんだと認めてあげて、 とにかく話を聞いてあげて下さい。 ただ聞くだけです。 指摘やアドバイスはかえって悪い方に向かいます。 ついつい言いたくなってしまいますが、 ただ聞いてあげて下さい。 うなづいて、ただ質問に質問で返すという事を繰り返すだけで構いません。 自己完結はするかも知れませんが， 当然答えなんて出ません。 迷走するかも知れません。 でもそれで構わないのです。 その答えは自分で見つければいいのですから。 一番大切なのは， 親の為に勉強していると思わせない事です。 実際はそうでも，そう思わせてはいけません。 だから何も言わずに話を聞いてあげて欲しいのです。 ただ聞いてあげていれば， 子供は次第に自分の為に勉強しているという事がわかってきます。 これが徐々にしみついてくると， 勉強なんてやらせようとしなくても， その内勝手にやり出します。 ＰＨＩの生徒たちもそんな感じですよ。 基本放任です。 やるもやらないも本人に任せます。 もちろん本当は本人に選択させているように見せているだけで， 自覚させるように仕向けているのですが。 それでも子供は自分で選択する事によって， 自分のためにやっていると言う感覚がしみついていきます。 結果，それが当たり前になると，勝手にやるようになるのです。